「選ばせてやる」? 気をつけろ。そいつはオマエに選ばせねえつもりだ

引っ張られんだよ。トラップでしかねーだろーがよ。

何の話かって? 選択問題だよ。

次の㋐~㋓から選びなさいって、アレさ。


「選ばせてやる」だ? うるせえよ。


てめえらのやり口はわかってる。


足止めしようってんだろ?
中学生を惑わせて。


だからオレ様は生徒のやつらに言ってやるんだ。

「聞いちゃ(見ちゃ)いけねえ」ってな。




中2理科の「前線」でこんな問題があったぜ?


[問題]
寒冷前線が通過したときの雨の降り方はどのようであったと考えられるか? 次の㋐~㋓から選べ。


㋐ だんだん雲が低くなり、弱い雨から本格的な雨になった。

㋑ おだやかな雨が少し降ったが、すぐにやみ、空が明るくなった。

㋒ 非常に弱い雨が降り続けた。

㋓ 急にくもって、突風がふき、雷が鳴って、激しい雨が降り出した。



大昔に、選択肢を読んでから考えたほうがいい、って教えてた先生がいてな。

そのほうが効率よく考えられるからってことらしい。

考えるべきことが何なのかが分かるからって意味だったんだろうな。

なるほど問題によってはその方がいいこともあるかもな。


だがよ


少なくとも上の前線の問題では、やらねえほうがいいと思う。

何でかって?


選択肢の㋐を読んでみろよ。読んじまったら、

だんだん雲が低くなって弱い雨から本格的な雨になる、って何の前線だっけ?」って考えちまわないか?


そうだよ。㋐の情報を見たらすぐに俺らの頭の中で連想が始まっちまうんだよ。

しかも無意識に自動的にだ。したくなくてもやっちまうんだよ。


マズいだろ。考えてもみな。
いま考えなきゃならねえのは「寒冷前線」なんだ。

㋐について考え巡らせてもしょうがねえんだ。


もっと言えば、もし㋐を考えちまったんなら、㋑㋒㋓も考えなきゃいけねえことになるぜ?

そうだろ、もう引っ込みつかねえよ。

㋐だけ考えて、他を考えないんだったら、なんで㋐だけ考えたんだ?って突っ込まれちまう。

矛盾するだろ?

解き方に一貫性がねえんだ。



だから、うちの教室では言ってる。

選択肢の特徴をつかむために、サラッとだけ読むのがいい。

キーワードを拾いあげるんだ。


例えば今回の㋐~㋓では、パッと見たところおそらく「雨」と「雲」についてしゃべってる。


だから「寒冷前線」について雨と雲のでき方と特徴をまずは何も見ずに頭の中から引きずりだすのがいい。

そう、考えるべきなのは「寒冷前線ってどんなだったっけな?」だ。

くわしく思い出そうとすんなよ? 
簡単にでいい。
こんな感じだ。


寒冷前線は、前線面の傾斜がきつい。

だから雲は、狭い範囲に垂直に発達する。

だから雨は、短時間で、大雨だ。雷もあるかもな。

それから通過後は寒くなるんだろな。


こうやって、軽く頭の中に描いとくんだ。


そしたらあとは、自分がいま引きずり出した知識に合うものを㋐~㋓から選ぶだけだ。

答えは㋓だよな。

余計なこと考えなくていいから速いし確実だ。



何も理科のテストに限った話じゃねえ。


選択肢はトラップなんだよ

連想の自動発動もやっかいだが、

信じやすいんだ。オレたちの脳は。ふつうにしてるとな。

見たものを真実だと思いやすい

㋐~㋓どれも、もっともらしく見えちまう。

だから迷いが生まれるんだ。


そういう自動的に発動する仕組みがある。
これがバイアスを生むんだ。

避けなきゃならねえ。
戦略が必要だろ?



最後。これだけ言わせてくれ。


いつだって「選ばせてやる」って言うヤツに、こっちに選ばせるつもりなんぞサラサラねえ。

松・竹・梅から、オレらが梅を選ばねえことをヤツらは知ってんだよ。

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