とあるヘッジファンドの日経平均先物と香港指数のサヤ取りはなぜ失敗したか?
このまえ、サヤ取りに失敗して最近シンガポールで破綻したヘッジファンドの話をしたよな。
今日の記事は、この記事を読んでから読むとわかりやすいぜ。
チェックしてみてくれ。
サヤ取りとは何か? 教えてやんヨ
面白ぇよな。
似たようなことは25年前にもあったんだぜ。
LTCMだよ。
ロングタームキャピタルマネジメントさ。
ヤツらが破綻したときと、同じじゃねえか。
LTCMも(元)ヘッジファンドで、投資の哲学は「市場の価格づけは正規分布に従うはずだから今の価格は間違ってるからこのくらいに戻るはず」うんぬんかんぬんだ。
そしたら創立4年目のある日、想像どおりに現実が動かないことが起こって(たしかロシアがデフォルトしたとかだったか)破綻しちゃいましたみたいなノリだ。
今回のヘッジファンド、いやしくも金融のプロだったらLTCMの事例は知ってたはずだが、
結局なにも学ばねえってことだ。人間は。
何でこうなっちまうんだろな。
まあ一つはやっぱり、効率的市場仮説(価格はいつも正しい)や経済理論は、人を酔わせる力があるっつーこったな。
未来の不確実を予測できる(とされている)からな。
理論上こうなる!
だから実際もこうなるべし!
みたいな。
だがそうそう頭で描いたとおりになるとは限らねえ。
誰かが言ってたぜ。
理論と実際は
理論上は同じだが
実際には異なる
ってな。
あと一つは、損失回避のバイアスがあったんだろな。
定石では「損が出始めたら損切り」なんだが、これがなかなかできねえんだよ。
人は、損が出始めると、確実な損失をいやがって、一縷の望みに賭けてギャンブルしたがる、ってバイアスがある。
今回のシンガポールのヘッジファンドの例でいうと、日経平均と香港指数のサヤがどんどん開くと、含み損が出るよな。
そこで損切りすべきなんだが、損切っちまうと損失が確定する。
つまり自分が間違ってたことを認めなきゃならないんだな。
人はそれを本能的に避けたがるんだよ。
もう1個ある。
人は歴史を忘れるんだ。
「チャンスあり」と思ったときから、自分たちが信じたいことに合わない事実、つまりLTCMの事例は都合よく忘れちまった。
これも人がもつバイアスさ。
以上が教訓だ。
俺らも人間だ。お互い気をつけようぜ。
あばよ。