ブラウザ三国志レア度S武将カード入手の法則に関わるバイアスにつきまして

だいぶ昔mixiゲームのブラウザ三国志に夢中になってたことがあってな。


どういうゲームかっていうと、

君主になって、たった1枚の武将カードから始めて、がんばってゲームが進むにつれて、武将カードのガチャができるようになる。

つまりランダムに出てくる武将カードを引いて自分の手持ちの駒にするわけ。


どこかしらの同盟に加盟して、他の君主と協力して、がんばればがんばるほど、手持ちの武将カードを育成できて、どんどん強力になってゆき、その後の戦いが楽しくなってくる。


コレクションみたいな感覚と思ってもらえればいい。

育成した武将カードのコレクションを増やしていく楽しみがある。


また、同盟員の仲間との会話も非常に楽しい。




さて、武将カードのレア度はS、A、B、C、Dくらいまであったと記憶している。

想像には難くないだろうが、Sに近づくほど、出現しにくいが、もともと強い上に、成長性も大きい。


ちなみにボクは、一度だけSの張飛を引いたことがある。

それを同盟の掲示板にかきこんで、同盟の仲間に自慢するのも楽しいわけだ。



むむ、いかん。

こんなことを書いてるとまたやりたくなってくる。



本題に入ろう。

いつだったか「Sカードを引く確率を高める方法がある」という噂が流れた。

その方法というのは、ガチャの画面に切り替わってから、ある秒数(7秒だったかそのへん)が経過したところで「武将カードを引く」のボタンをクリックすると、Sカードが出る確率が高まる、というものだった。


ボクは面倒くさかったし「普通に引いても出るときは出るだろう」と思って、試してみる気にはならなかった。

でも、面倒くさかったというだけで、そういう方法もあるんだな、と。あるかもしれないと。

つまりまったく疑ってたわけではなかった


でも今にして考えると、試す・試さないの前に、そもそも真偽が疑わしい


なぜって? 情報の出どころがわからないじゃあないか。


例えば、ゲーム運営側の内部の人間からの情報なら、真実味もあろう。

しかし、いちユーザーのボクらの立場では、それを確かめることができない。

よって情報の出どころは、わかり得ない。



他に法則が真実であるシナリオがあるとしたら? 

さよう、誰かが自分でカードを引いた結果のデータを記録してあって、スプレッドシートかなんかで確率を調べたのかも。

その人が「おれが調べた結果、そういう法則がありました」と言った。
そこが情報出どころかもしれない。


しかしだ。その誰かが「おれ調べました」というのがウソかもしれない。


これだけ信頼性が乏しいにもかかわらず、プレイヤーの中には信じてた者が多かった(ボクも完全に疑うところまでいってなかった)。


しかし今ボクはダニエル・カーネマン著「ファスト&スロー」を2回も読み終わってるので、行動経済学からの説明ができる。

人は、本能的にランダムな事象に理由をつけたがる、ということ。

ランダムな事象っていうのは、サイコロを振ったら6が出た、とかいうようなことと思ってもらえればいい。

6が出ることに理由なんかない。

たまたま起こること。それが6の目が出るってことだ。




さて、ブラウザ三国志のS級のレア武将カードの引き方はランダムである。

なのに、誰かがSが出る法則をこしらえた(または勘違いして自分で信じた)。

そしてそれを信じる者がいた。



理由をこしらえる人間にも、それを信じる人間も、ともに「理由のないものに理由をつけたい」というバイアス(判断のまちがい)があるということである。


これは何も、その人たちがアホだってことではない。

人間も動物であることにはかわりなくて、脳がそういう進化をしたからこそ、自然界の中で今まで生き延びてきたんだってこと。




ああいう身近なゲームにも、応用できる、行動心理学って本当に応用範囲が広いなって思う。

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