自分を差別するヤツらに仕事を紹介できるか?
いま司馬遼太郎の長編小説「韃靼疾風録」を読み返してる。
モンゴル族が、半農半馬の女真族を差別してた様子が書かれてる。
その理由というのが、
女真族は豚を飼ってる。
豚なんか飼ってたら、戦争のときに移動が遅くなる。
だって豚は足が遅いから。
よって女真族はバカだ。とか、
女真族は魚を食う。
だからあいつら気持ちわりい、だとか。
いかにも人が抱きそうな心理ではある。
女真族が強大になって、飢えたモンゴル人が助けを求めてきたとき、女真族の長ヌルハチやホンタイジが、食糧をほどこし、また仲間になるよう誘って、来た者には畑を与えるなどした、とある。
いや偉いわ。
人として偉いってことじゃなくて、
そのほうが長期的に利益になりそうだもん。
いやしかしたしかに明帝国に対抗するためにしたことではあるけど、それにしてもよく我慢できたな、と思った。
ボクはできるだろうか。
自信ないわー。
自分をバカにしてきたヤツらでしょ。
明日からそいつらと同じ職場で働く?
ないでしょー。
餓死しそうだったらザマあみろと思うかもしれん。
因果応報だバーカって思ってしまうかもしれん。
だから冷静に考えたとき、その逆のふるまいが必要とわかったしまったとき、オレにできるか?って。
この物語に描かれてるとおりだったとすると、ヌルハチら、すげえなって思う。人じゃねえ。