見た目のいいヤツは何やらせてもパーフェクトじゃね?バイアスにつきまして

あの人はかっこいい!

てことは、

やさしいはずだ!
仕事ができるはずだ!
ウソはつかないはずだ!


どこのバカだ、そんな決めつけをする輩は、と思ったか?

用心なされ。われら自身やも知れぬぞ。




中国ドラマの三国志を観てると、龐統(ほうとう)が劉備の配下になるまでの場面が出てくる。

以下に説明すると、


劉備、役人を募集する。

龐統、応募する。

龐統、素晴らしい論文を書く。

劉備、それを読む。
劉備、感動。

でも龐統の姿はひどくみすぼらしい

よって劉備、龐統を重用せず。ただの県令に任命。

やがて龐統が「鳳雛」と号する大賢人であることが判明。

劉備、反省。龐統に謝罪。

劉備、龐統を手厚く遇する。

めでたしめでたし。


こういう場面がある。


今回注目したいのは、上の太字の部分。

劉備は、龐統の実力をいったんは認めたにもかかわらず、見た目が悪いという理由で龐統を不当に低く評価した。

ここだ。


ハロー効果だ。


ハロー効果とは何か?


まず、人の脳には、直感を司る部位と、論理思考を司る部位、がある。


直感は、例えば「龐統こいつ、見た目汚いなー」
といった印象をつくりだし、

一方、論理思考は例えば「龐統はすばらしい論文を書いた。したがって重要な役職で用いれば国をより強大にできるに違いない」といった、筋道の通った考え方をつくりだす。


さて、賢明なる君たちならお分かりだろう。

論文は、書いた本人の仕事の良し悪しに大きく関係すると思われるが、

見た目は、その人の仕事の良し悪しには直接の関係がない。


でも人の直感は、印象が悪ければ、見た目以外の全般についてもコイツはダメなんだろう、という結論を出してしまう


これがハロー効果である。

「一事が万事効果」「見たものがすべて効果」と言いかえてもいい。


いつもではないが、往々にして人の意思決定は、印象によって大きく左右される。


それが劉備に起こったという場面だ。


大賢人龐統は、劉備がハロー効果に逆らえるかを試して、逆らえるなら偉大な君主だから仕えることにしよう、という場面だったように思える。

どうだ。おもしろいと思わんか?

このハロー効果は心理学概念として、実生活においてかなり応用範囲が広いと思うがいかに。


三国志は、この他にも心理学概念の具体例が驚くほど豊富だ。

著者の羅漢中(だっけ?)の時代はハロー効果という名前はなかっただろうけども、事例を用いて心理学を深く理解する教材としても、趣味としても、三国志を君らに強くオススメしたい。

必ず読むんじゃぞ。よいな。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です